研究所ホームページの大幅にを更新し、固定ページ欄に新たな論考を追加いたしました。今回は「約束事の社会科学」および「現代農業科学論」の二本を掲載しております。
「約束事の社会科学」では、社会における制度やルールの形成過程を、法や慣習を超えた視点から理論的に掘り下げ、「現代農業科学論」では、農業とは何か、農学とは何を扱うべきかという根本的問いに立ち返り、現代にふさわしい農業のあり方と、それを支える知の再構築に挑戦しています。
いずれも、今後のプロジェクト推進に関わる基盤的な視座を提示する内容となっております。
ぜひご一読いただけましたら幸いです。なお、これまでの「会社情報」等も加筆修正しておりますので、合わせてご確認いただければと思います。
① 約束事の社会科学
私たちの暮らしには、交通ルール、成年年齢、相続制度など、社会全体で合意された“人間の約束事”が無数に存在しています。本稿では、それらを法律や慣習の枠を超えて「制度設計」の視点から再解釈し、法学・経済学・政治学・経営学などの知見を横断して、制度=合意のメカニズムとして再定義します。制度は自然法則ではなく人間が創り出すものである以上、私たちにとって本当に「最適な制度」とは何か。その根本を問う、現代社会に不可欠な社会科学のあり方を提示します。
② 現代農業科学論
気候変動、人口増加、資源制約など、農業はいま人類の持続可能性を左右するフロントラインに立たされています。本稿では、「農業とは何か」「農学とは何を対象とする学問か」といった根源的な問いを出発点に、自然科学と社会科学の融合による現代農学の再構築を試みています。特に、これからの農学部に必要とされる知の体系とは何か、また未来の農業人材に求められる総合的な思考力と実践知について考察を加えています。農業と社会の関係を根本から問い直す視座として、ぜひご一読ください。